PennCNVによるCNV解析

大規模なSNPタイピングが比較的安価にできるようになってきました。
SNPタイピングコストは1検体当たり10万円前後が相場で、1度に数十万SNP~250万SNPのタイピングが可能です。

しかし、GWASをやろうとすると1000人規模の検体が必要ですので、検体集めだけでも大変なのに、タイピングコストは1億円以上になってしまいます。まだまだ、どの研究室でもGWASが行えるという状況ではありません。

疾患などのターゲットを絞り込めば少人数でのGWASでも結果が得られることが最近の研究で知られていますが、GWASのトレンドとしては大規模化の方向に進んでいるようです。

一方で、構造多型であるCNV(Copy Number Variation)LOH(Loss of Heterozygosity)に注目しますと、1人1人の構造多型は異なりますので少人数の患者(検体)を解析することで結果が得られやすいという特徴があります。

CNV解析は、通常2倍体であるゲノムに挿入や欠失などが起こることで多型を形成することで、0~1倍体(欠失)、3~4倍体以上(挿入)を測定します。実験系は実績のあるイルミナ社などのSNPタイピングチップを用いることができ、受託アッセイ会社様も多くあります。

腫瘍細胞のCNVを解析するケースを想定しますと、コントロールとしては自身の正常細胞が利用できます。腫瘍細胞で特異的に起こっているCNVを調べることで、遺伝子を特定できる可能性があります。

CNVの解析には、世界的に定評のあるPennCNVを利用しています。手前味噌で恐縮ですが、会社のブログで解説記事を書いていますので、ご参考にしていただけたらとおもいます。

上記例のような特異的に起こっているCNVの解析には、独自に開発しましたアルゴリズムを用いて解析しています。データが膨大ですのでデータベース(PostgreSQL)にデータを格納し、Perlスクリプトや統計パッケージ「R」で解析しています。

【参考】

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