昨日の続きで、医薬品の新規発売後一定期間は第四相臨床試験としてはどうかという話題です。
全ての医薬品に適用する必要は無いとおもいますが、抗がん剤や頓服薬などで、効果や副作用の大小が遺伝的背景や生活環境の影響を受けているか否かを調べてみてはいかがでしょうか。
こういう調査は、意外にもあまり行われていないんです。学術分野ではある程度研究が行われていますが、予算が限られているため大規模の研究は極めてまれですし、開発した製薬会社の協力が不可欠のため、あまり進んでいないのが現状です。
臨床試験には膨大なコストがかかりますので、有効性の増大や副作用の低減(重い副作用の恐れのある患者群には処方しないなど)が期待できる場合には、特許期間を延長したり薬価を保つなどの「インセンティブ」を与え、戦略的な医薬品の開発や処方ができる環境を整えるべきではないでしょうか。
これは個別化医療(personalized medicine、オーダーメイド医療)といわれますが、副作用の低減や治療効果が高まることで、全体の医療費が低減できると期待できます。
また、現在の医療では副作用を治療するために兆円単位のコストがかかっているため、副作用の発生を10%でも抑えることができれば、目に見えて大きな医療費の低減が可能です。
個別化医療に向けた臨床試験は第三相試験内でも行えますが、インセンティブが働かないため、どこの製薬企業も積極的ではないようです。
各分野の専門家の方々がいろいろ検討していらっしゃるとはおもいますが、日本の医薬品行政を戦略的に進めるためにも、ぜひ前向きに考えていただきたいですね。
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