科学者が「起業」で成功する方法、キャスリーン・アレン (著)、北川 知子 (訳)
理工系の研究者が自らの技術やアイデアで起業(自分もそうですが)する場合に陥りやすい失敗点や乗り越えなければいけない壁について、事例を交えて具体的に紹介されています。研究者の方で、起業を考えている方にはぜひ読んでいただきたい一冊です。
2009年の出版で少々古いことと、主にシリコンバレーなど米国での事例となっているため、現在の日本では当てはまらないことも少々あり、特に補助金の種類や法律は具体的に記載があってもあまり役に立ちませんが、日本の同様の制度を調べる参考にはなるとおもいます。
研究者が勘違いしがちな、高い技術力があって素晴らしい製品を作れば自然と売れるだろうという思い込みが、技術と市場(製品)との間に死の谷を生み、事業としての成功が難しい大きな要因であると最初の方で指摘しています。
印象的だったのは、マーケティングや宣伝の重要性。技術や製品に自信があるほど、マーケティングなどの広報活動が蔑ろにされ、結果的に誰からも認知されずに市場から消えていくという事例が後をたたないことです。
とても身につまされる思いですが、この本から得られたことを参考にしていきたいとおもいます。
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