エピジェネティクス 操られる遺伝子、リチャード・フランシス (著), 野中 香方子 (訳)

エピジェネティクス 操られる遺伝子、リチャード・フランシス (著), 野中 香方子 (訳)

自分は遺伝統計学が専門なので、エピジェネティクスは関連分野としてある程度の知識は備えていると思っていたのですが、それが完全な勘違いであることがわかった1冊です。

そもそも、エピ(後の)+ジェネティクス(遺伝学)ではなく、エピジェネシス(後成説)を扱う学問ということも知りませんでした。

遺伝学の説明が最初にあり、DNAメチル化はもちろん、ゲノムインプリンティングや 一卵性双生児が大人になるにつれて外見も違ってくること、父由来と母由来の染色体の制御、飢餓を経験した母親の子や孫は肥満になりやすいこと、最近のがんについてなど、かなり網羅的な内容でした。

雄のロバと雌の馬の子と、雌のロバと雄の馬の子では外見も性格も異なることなど、エピジェネティクスの研究者の方にとっても知らなかったテーマが多数紹介されているのではないかとおもいます。

若手の研究者はもちろん、ベテランの研究者の方や生命科学に興味のある一般の方にもぜひ手にとっていただきたい1冊です。

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